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2021.07.21

人材版伊藤レポートをご存知ですか?

個人的にこのブログで言いたいことは、この画像に集約されているように思いますので、お時間ない方はこれだけ眺めて頂ければと思います。

さて、伊藤レポートとは何か?ということに軽く触れておきますと、
2014年8月に公表された、伊藤邦雄一橋大学教授(当時)を座長とした、経済産業省の「『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト」の最終報告書の通称です。
これは、企業が投資家との対話を通じて、企業価値を持続的に高めていくための提言を行ったもので、ROEの目標水準を8%と掲げたことから、実務界から大きな反響があったようです。
ちなみに、2017年10月にはアップデート版にあたる「伊藤レポート2.0」が公開されています。 

今回ご紹介するのは、その伊藤レポートの「人材版」ということになります。
詳しくはこちらのリンクよりご参照頂けますが、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究」という内容です。

実は、私も最近こちらの内容を知って熟読したのですが、現場で働くコンサルタントとしても非常に納得できる内容で、ぜひ世の中の「人事に関連する職務の方」には読んでいただきたいと思いご紹介しました。

私が今後人事戦略として意識しておくべき事と思うのは大きく3つあります

  • 企業のパーパス
  • デジタル化
  • 個人の働く期間

というものになります。

1つ目の「企業のパーパス」ですが、その意味の通り存在理由はとても大事です。
そもそも、米国のギャラップ社調査で出ている「従業員エンゲージメント」低さがあります。つまり、日本の会社において「熱意あふれる社員の割合」は6%という結果が出ており、139カ国中132位ということです。
また、食べる(生きる)ために働くというのは、エンゲル係数の推移を見ても、もはやその指標の意味はなくなったと思えるほど豊かな社会になっています。
そのようなことから、人は「働く理由」を考えるようになり、それはつまり、「企業のパーパス」にもつながっていきます。

2つ目の「デジタル化」については説明不要かと思います。
既に技術によって時代の変化は非常に早くなっています(エクスポネンシャル)。また、昨今のパンデミックのように既存のやり方が通用しなくなるような状況も現れています。あるいは、ユーチューバーのようにやり方によっては個人で稼げてしまう時代でもあります。
このようなことから、「デジタル」スキルはビジネスパーソンにとって必須であり、いかに身に着けられるかが今後のキャリアにも関わってくることになります。

最後は「個人の働く期間」です。
人にもよりますが、個人の寿命は確実に伸びています。(人生100年時代とも言われています)それに伴って、会社も段階的に定年の年齢設定も上げて来ていますし、年金受給開始年齢も上がっています。つまり、現時点で働く社会人は少なくとも70歳までは働くことを覚悟することが必要でしょう。
そのように考えたときに、いかにして所属している会社で定年まで勤められるのか?もしくは、レポートにもあるリスキルなどを駆使しながら、その時その時に「必要とされるスキル」を身に着けて、一つの会社に依存しない人材を目指していくのか?というキャリアの考え方も非常に重要になってきています。

ということで、私はとっても共感できた内容でしたので、ご興味があればぜひ人事版伊藤レポートに目を通してみて下さい!

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