「人的資本の開示」という人事の新しい潮流
2021年8月に全3回で行われた「人的資本の開示」入門講座に参加しました。
内容については、国際標準化推進機構(ISO)が、2018年12月に公表した”世界初”HumanCapital Reportingガイドライン(社内外への人事・組織に関する情報開示のためのガイドライン)、通称 ISO30414についてのお話です。
昨今、ESG投資といった、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)に配慮している企業を重視・選別して行なわれる投資やSDGs(持続可能な開発目標)などの単語を新聞で見ない日はないくらい重要なキーワードになっています。
SDGsの取り組み、コーポレートガバナンスの強化など投資家の中でも注目度が高まり、「人的資本」マネジメントのレベルアップや労務・コンプライアンス強化を強く求める流れが起きているようです。
そんな中、2020年8月には米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対して、30年ぶりにHR情報開示ルールを変更し、人的資本の情報開示を義務づけると公表しました。
一方で、欧州などでも給与差別をなくすよう情報開示の義務化が進んでいることから、日本においても市場区分の見直しや先日の伊藤レポートからも、同様の動きが義務化されていることは間違いないと思います。
ちなみに、このISO30414は11領域を対象としており、いずれもデータをしっかり取得・蓄積することはもちろん、経年比較など時間軸で見ることもとても重要だと感じました。
1.コンプライアンスと倫理 2.コスト 3.ダイバーシティ 4.リーダーシップ 5.組織文化 6.組織の健康、安全、福祉 7.生産性 8.採用、異動、離職 9.スキルと能力 10.後継者育成 11.労働力確保 |
今からこのような流れに注目し、HRTechを活用しながらデータに基づく人的管理をおこなっていけば、今後上場企業で義務化されるであろう対策はもちろん、新しい視点での人事戦略のヒントが得られるかもしれません。
まずは国内上場企業のどの会社が初めての発表をするか注目したいと思います。